【藤原かんいち 電動バイク世界一周】
アメリカPart5 ~ ダニー&スー ~
私たち夫婦は、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカ、そして、アジアの国々を旅しました。
使用したバイクは、電動バイク (YAMAHA PASSOL)と、250ccスクーター(YAMAHA MAJESTY)。
これは、訪問国43か国、 2004~2008年の足掛け4年(実質旅行期間は983日間)の旅の記録です。
旅のストーリー
私たちは、旅をしている間も、数誌のバイク雑誌に連載を持っていたため、1か月に1回、数日、モーテルなどにこもって、原稿書きをします。
そのタイミングになると、しばらく泊っていられる、居心地が良くて料金が良心的な宿を探すことが課題です。
のんびり旅をしているようで、けっこう忙しいんですよね(苦笑)
それでも、そんな宿泊場所には、素敵な出会いがたくさんありました。


アメリカでは、モーテルのインド人オーナーが多いのですが、この時には、オーナーが私たちのことをすごく気にかけてくれて、出発の朝、「何かあったら、いつでも電話しなさい」と言ってくれました。
アメリカでは、表立っていないところでも、さまざまな差別があります。
黒人が多く暮らす地域では、道路が整備されていなくて、街灯があちこち切れている、なんていうひどい状況の場所もありました。
通りがひとつ違うと、住んでいる人も、周辺の環境もまったく変わるのですから、本当にハッキリしています。
もしかしたら、インド人オーナーは、そんなところを、同じアジア人として心配してくれたのかもしれません。


こんな出会いが、単調な道の続く日々の大切な時間となります。
ダニーとスー夫婦とも、周りには何もないような、乾いた大地にポツンとあるモーテルで一緒になりました。




たまたま、モーテルで一緒になっただけでしたが、「近くに来たら遊びにおいで」という言葉を信じて、本当に訪ねてみました。
とてもあたたかく迎えてくれ、数日間、楽しい時間を過ごしました。
ふたりは、リタイアした後、立派な家を買うか、楽しみながら暮らしていくかを話し合い、楽しむことを選択したそうです。
この家以外にも、滞在する場所を持ち、季節によって滞在先を変えているそうです。
自分の人生の中で、何が大切なのか、人生の後半をどう暮らしていくか、そこはとても大切な選択ですね。
あれから15年経ち、私たち夫婦も、あの時のふたりの年齢に近くなってきました。
どんな暮らしをしていたとしても、 ダニーとスー夫婦のように笑顔で毎日を過ごしていたいと思います。
▼藤原かんいち視点の旅の話も合わせてどうぞ
電動バイク世界一周の旅『スー&ダニーとの再会』
ちょっぴり裏話
当時の電動バイクは、1本のバッテリーで20kmしか走れなかったため、私たちは、6本のバッテリーを持って旅をしていました。
旅の装備以外に、その6本のバッテリー、2個の充電器、変圧器、などをを運ばなくてはならなかったため、私が荷物持ちとして250ccスクーターで伴走することになったのです。
そして、毎日、宿に着くと、そのバッテリーを充電するのが日課。


宿までバッテリーが持てば、こんな風に優雅な感じで充電できるのですが、時々、向かい風や上り坂が続き、充電が足りなくなる時があります。
その時は、本当にどうなるのかと不安な気持ちにもなりますが、旅も長くなってくると、どんな状況でもなんとかなると思えるから不思議です。
スタンドで充電をさせてもらったり、一度は、カフェに行ったら、バイクの調子が悪いのかと思われて整備工場を紹介され、そこで充電させてもらったこともあります。
泊るわけではないのに、モーテルで充電をお願いして、外の看板の電源を貸してもらったこともありました。
いつもなんとかなっていたのは、やっぱり、たくさんの人たちに助けてもらっていたからですね。
藤原かんいちの旅については、旅行家 藤原かんいち Official website をご覧ください。
この動画は、旅をサポートしてくださっていた二輪販売店のための総合サービス会社BDSの中で紹介されていたものです。
現在は、旅行家藤原かんいちとして、BDSの中古バイク情報サイトBBBでコラムなどを書いていますが、この動画はサイトからは公開されていません。
旅をしていた当時はまだ、インターネット環境も整っていず、Wi-Fiはもちろん、スマホもありませんでした。
メールを送ることも至難の業、場所によっては、電話もままならない状況でした。
そんな中、旅先から撮りっぱなしのビデオテープを何本も送り、それを受け取って編集してくださった当時の担当の方たちには心から感謝しています。
動画の撮影は、実際に旅をしながらふたりだけで撮っています。
15年も前にもので、画質も悪く、撮影技術もなく、話も下手で、今見ると、恥ずかしいばかりです。
それでも、この動画を通して、バイクで旅することの楽しさを感じていただけたら嬉しいです。